印刷するときによく聞くけど「トリムマーク」「トンボ」「塗り足し」ってなに?どうやって作ったらいいの?
トリムマーク(トンボ)とは
トリムマークはトンボとも呼ばれ、印刷した後の断裁をする時の目印になるものです。仕上がりサイズの四隅と中央にできる線のことで、内側の線で断裁します。
コーナートンボ(外トンボ・内トンボ)+センタートンボで構成されています。
塗り足しとは
断裁時に少しずれても白(紙色)が出ないように、図柄を外トンボまで3mm程度伸ばすことで、裁ち落としとも言います。
トリムマーク(トンボ)の付け方 1【アートボードの中にすべて収める】
メリット
- 目的のサイズの用紙を使用するとき、トンボ付きの印刷が楽
デメリット
- PDFや画像ファイルを書き出すときにアートボードサイズを変更しないといけない
1. 長方形ツールで仕上がりサイズの大きさのオブジェクトを作成
それでは名刺を例にして進めていきます。
まず、A4サイズ等で新規ドキュメントを作成し、長方形ツールで名刺サイズ(幅91mm×高さ55mm)のオブジェクトを作成します。
オブジェクトは必ずアートボードの中央に配置してください。
※アートボードのサイズを変更してもぴったりど真ん中にするためです。
ツールボックス(ツールパネル)の整列パネルを表示して「アートボードに整列」が選択された状態で、「水平方向中央に整列」「垂直方向中央に整列」を順にクリックするとアートボードの中央に移動されます。
2. 線をなしにする
次に、線をなしにします。塗りはあってもなくてもどちらでもいいですが、私は、後でガイドにするときに塗りが邪魔をしてしまうのが嫌なのでなしにしています。
線は必ずなしにしてトリムマークをつけてください。
線を指定してるとトリムマークのサイズが変わってしまいます。
下の図からもわかるように線5ptのオブジェクトにトンボを付けるとトリムマークのサイズが大きくなっています。
3. オブジェクトからトリムマークを作成を選択
線をなしにしたオブジェクトに
メニューバーの「オブジェクト」→「トリムマークを作成」を選択します。
すると、トリムマークが付きました。が、ここでひと工夫。
4. オブジェクトをガイドに変換
このままだと仕上がりサイズの位置がわからないので、「ガイド」→「ガイドを作成」で仕上がりサイズがひと目でわかるガイドを作りましょう。これで完成です。
トリムマーク(トンボ)の付け方 2【 アートボード=仕上がりサイズ 】
メリット
- 仕上がりサイズのPDFや画像ファイルを書き出すときにとても便利
デメリット
- そのままの設定だとトリムマークが印刷されないので、プリント設定を変更して印刷する(2パターン有)
仕上がりサイズで新規ドキュメントを作成
ここでも名刺を例にあげます。
新規ドキュメントを作成します。その際、ドキュメントサイズ(アートボードサイズ)を名刺サイズにし、その下の裁ち落としのところを天地左右3mmに設定します。
これで、アートボードが名刺サイズになり、周りに赤い枠が3mm外にできます。
この後は、上記「トリムマーク(トンボ)の付け方 1【アートボードの中にすべて収める】」と要領は同じです。
名刺のデザインをして、きちんと塗り足しも作って出来上がり!
今は、こちらのタイプで作業していく方が楽なので主流になっていますね。
トリムマークも一緒に印刷するときはプリント設定を変更(2パターン有)
1. プリント設定でアートボードを無視して印刷する方法
メニューバーの「ファイル」→「プリント」と選択すると、ダイアログボックスがでるので、左上の「一般」を選択します。 、右側にある「アートボードを無視」にチェックを入れます。
これでアートボードが無視されて、アートボード外のトリムマークも一緒に印刷されます。
2. プリント設定の「トンボと裁ち落とし」でトリムマークを付けて印刷する方法
この方法を使えば、Illustratorでトリムマークを作成していなくても、トリムマーク付きで印刷することができます。
メニューバーの「ファイル」→「プリント」と選択すると、ダイアログボックスがでるので、左上の「トンボと裁ち落とし」を選択します。
すると、右に「トンボと裁ち落とし」の項目が表示されます。
- 「トンボ」 …「トンボ」にチェック。
- 「トンボ」 …「レジストレーションマーク」はセンタートンボも印刷したいときにチェック。
- 「裁ち落とし」 …「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェック。
上記の設定にすると、左のプレビュー画像にトリムマークが表示されたと思います。
この状態で印刷したい用紙サイズを選択して、「プリント」をクリックして印刷するとトリムマークも印刷されます。
最後にひと手間
トリムマークを付けるときに、一緒に余白(マージン)のガイドを作成し、そのガイドを目安にすると非常に作業がしやすくなります。
トリムマークを作成した後のオブジェクトを再度選択します。
そのオブジェクトに対して、「オブジェクト」→「パス」→「パスのオフセット」と選択します。
②「パスのオフセット」のダイアログが出たら、「オフセット」にお好みの余白(マージン)サイズの数値を入力します。オブジェクトの中にさらにオブジェクトを作成するので、マイナスの値にしてください。ここでは、名刺なので「-5mm」に設定しています。
すると、トリムマークを作成したオブジェクトの中に5mm小さくなったオブジェクトができます。
2つのオブジェクトを選択して、
「表示」→「ガイド」→「ガイドを作成」でガイドに変換されます。
このガイドを目安に頑張って制作しましょう。