ベクター形式のQRコード作成方法

Illustrator
Illustratorでベクター形式のQRコード作成方法
※Illustrator 2022のエクステンション「QR Code Maker Pro」で作成しています。

Webサイトに飛ぶQRコードを作ってチラシに入れたいんだけど、どうやって作ったらいいの?
できれば画像形式じゃなく、使い勝手のいいベクター形式のほうがいいんだけど…。イラレで作成できないかな?

さくのすけ
さくのすけ

はい。できるんです。
エクステンションをインストールするとイラレでも作成できるようになります。他にもInDesignで作成する方法やQRコード作成サイトでも無料で作成できたりするので、紹介させていただきますね。

使用したソフト&バージョン
  • OS Windows 10
  • Adobe Illustrator 2022
  • Adobe InDesign 2021
  • QR Code Maker Pro(エクステンション)※CC以降のバージョンで使用可能

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

Illustratorのエクステンション(プラグイン)の「QR Code Maker Pro」での作成方法

1.「QR Code Maker Pro」をインストールする

それでは、エクステンションをインストールして「QR Code Maker Pro」を使う準備をしていきましょう。

エクステンションを検索

まずは、Illustratorを開きます。
「ウィンドウ」→ 「Exchangeでエクステンションを検索」をクリックします。

※「Creative Cloud デスクトップアプリ」からもできます。その場合は「Stockとマーケットプレイス」→「プラグイン」と進み、検索ボックスに「QR Code Maker Pro」と入力して探してください。

Illustrator Extensionsの画面

Webブラウザが立ち上がり、「Illustrator Extensions」の画面が開きます。

検索ボックスに「QR Code Maker Pro」と入力してプラグインを探します。

「QR Code Maker Pro」の文字部分、またはサムネイル画像をクリックすると詳細画面になります。

「Install Now」ボタンをクリック

右上の「Install Now」ボタンをクリックします。

「Creative Cloud Desktop App を開く」をクリック

「Creative Cloud Desktop App を開く」をクリック

※このとき、「このプラグインをインストールする前に、これらのアプリケーションを閉じてください。」と表示された場合は、開いているアプリを閉じて、再度④⑤をクリックしてください。

「QR Code Maker Pro」プラグインをインストール画面

『「QR Code Maker Pro」プラグインをインストール』の画面が出ますので、「OK」をクリックしてインストールが完了になります。

ちなみにこの「QR Code Maker Pro」は一度インストールすると「InDesign」でも「Photoshop」でも同じように「エクステンション」からQRコードを書き出せるようになります。
※もちろんPhotoshopで生成すると画像のQRコードが生成されます。

2.「QR Code Maker Pro」の使い方

それでは、早速「QR Code Maker Pro」の使い方を見ていきましょう。

【メリット】
・誤り訂正レベルが4種類から選択できる。(L・M・Q・H)
・UTF-8モードがあるので、環境依存文字が表示できる。

【デメリット】
・QRコード内容の種類が選択できない。

「QR Code Maker Pro」を選択

Illustratorを立ち上げ、新規ファイルは作らず、何も開いてない状態にします。

「ウィンドウ」→「エクステンション」→ 「QR Code Maker Pro」を選択して立ち上げると、下記の画面が表示されます。この画面で設定をしていきます。

「QR Code Maker Pro」のダイアログボックス

「ECLevel誤り訂正レベル」を選択してください。
通常使用の場合は「M(15%)」を選択しておけば問題ないです。

テキスト入力ボックスにホームページアドレスやメールアドレスを入力します。
※もちろん文章などテキストも入力できます。
※あまりおすすめはしませんが、環境依存文字(機種依存文字)を入れたい場合は「Force UTF-8 Mode.」にチェックを入れてください。チェックしないと文字化けして読めません。

「Create」をクリックすると、新規ファイルとしてQRコードが生成されます。
※左上にある「Mask(not required)」の欄は特にそのままで問題ありません。

ECLevel(誤り訂正レベル)について

QRコードには「誤り訂正レベル」が4種類存在しており、使用用途により選択することができます。「誤り訂正レベル」を上げるごとに復元能力が上がり、データ量が増えてサイズも大きくなります。

レベル復元能力 印刷物でのおすすめ使用用途
L約7%・名刺やDM、チラシなどに小さく使用する場合
・情報量(テキスト量)が多い場合
M約15%・標準レベル(推奨)
Q約25%・少し大きく使用する場合
H約30%・カレンダー、ポスターなど大きめに使用する場合
・汚れや欠損が出やすい環境で使用する場合

【参考】QRコードドットコム「誤り訂正機能について」https://www.qrcode.com/about/error_correction.html

生成されたQRコードですが、下記画像のように四角いセルの集合体になっています。
このままグループにしても使えますが、スマートじゃないので、きれいに使いやすくしていきます。

パスファインダーで合体させる

アートボードにQRコードのセルと白の背景が乗っている状態になっていますので、背景の白のみを選択して、「オブジェクト → 隠す(Win:Ctrl+3/Mac:Cmd+3)」で隠すか、ロックしておきます。

次にQRコード部分を選択して「パスファインダー:合体」をクリックします。
※このとき、パスファインダーパネルの右上からパスファインダーオプションを選択し、「余分なポイントを削除」にチェックを入れておくと、不要なアンカーポイントがなくなりスッキリと合体してくれます。(下記画像参考)

パスファインダーオプション
※パスファインダーオプションの精度は、通常そのままで大丈夫かと思います。
下の背景と一緒にグループ化

隠していた白背景を表示させ、QRコードと一緒にグループ化しておけば、余白も含んだQRコードの完成になります。

InDesignでのQRコード作成方法

次に、InDesignでのQRコード作成方法を見ていきましょう。

【メリット】
・QRコード内容の種類が5種類用意されていて選択できる。
(Webハイパーリンク/書式なし/テキストメッセージ/電子メール/名刺)

【デメリット】
・誤り訂正レベルが「M」のみで書き出される。(選択不可)

【InDesign】新規ドキュメントの作成

「ファイル」→「新規」→「ドキュメント」を選択します。

「新規ドキュメント」を「マージン・段組」で作成します。
※QRコードを貼り込むだけですので、適当な設定で新規ファイルを作成してください。

【InDesign】QRコードを生成を選択

「オブジェクト」→「QRコードを生成」を選択しすると、「QRコードを生成」のダイアログボックスが表示されます。

ここでQRコードの内容を設定していきます。

【InDesign】QRコードを生成の入力内容

「種類」を選択します。
ここでは、一般的なホームページを表示させるQRコードを作成するため、「Webハイパーリンク」を選択しましたが、5種類設定が用意されていますので、いろいろ試してみてください。

【QRコードを生成】種類の説明
  • 【Webハイパーリンク】
    ホームページアドレスを表示させたいときに使用(タイプ:URI)
  • 【書式なし】
    テキストを自由に表示させたいときに使用(タイプ:TEXT)
  • 【テキストメッセージ】
    ショートメールの送信に使用(タイプ:SMS)
  • 【電子メール】
    電子メールの送信に使用(タイプ:EMAIL_ADDRESS)
  • 【名刺】
    名刺の内容、連絡先等を表示させたいときに使用(タイプ:ADDRESSBOOK)

「URL」のテキストボックスの中にホームページアドレスを入力し、「OK」をクリックするとQRコードが生成されます。

【InDesign】QRコードの貼り付け

書き出されたQRコードを貼り付けます。
※サイズはあとでIllustratorで調整しますので適当で大丈夫です。

このQRコードをコピーして、Illustratorにペーストするとベクターデータとして貼り付きますので、
パスファインダーの合体等をかけ、サイズや色調整していきます。

これで完成となりますが、一旦別ファイルとして書き出したい方は、下記のようにEPSファイルとして書き出してお使いください。

【InDesign】EPSの書き出し

「ファイル」→「書き出し」と選択し、ファイルの種類を「EPS(*.eps)」で書き出します。
EPSの書き出しのダイアログボックスが表示されますが、特になにも触らず書き出しをクリックします。

QRコード作成サイトから生成する

QRコードを作成するサイトは数多くありますが、今回はベクター形式(EPS)で書き出せる無料のサイトを簡単にご紹介します。いろいろとご紹介したいところですが、今回は2つのサイトに絞らせていただきました。

QRのススメ

「QRのススメ」トップ画面

知らない人はあまりいないのではないかと思われる超有名サイトです。とにかく種類が豊富で「アクセス数を見られるQRコード」「端末振り分けQRコード」などのQRコードがお手軽に作成できます。

また、「デザイン付」や「丸ドット」など凝ったデザインのQRコードも作成可能。

対応ダウンロード形式

・PNG ・JPEG ・EPS

数値入力するタイプではなく、直感的に操作できるのでわかりやすくておすすめです。

クルクルManager(クルクルマネージャー)

「クルクルマネージャー」トップ画面

いろいろな用途のQRコードを無料で作成してくれます。作成したQRコードのアクセス解析やデンソーウェーブが新たに開発したフレームQRにも対応しています。

対応ダウンロード形式

・PNG ・JPEG ・EPS

アクセス解析をしたい方は、過去の履歴やアクセス解析情報の閲覧ができるので無料アカウント登録した方が便利です。

まとめ&補足

いかがでしたか。

「ホームページに簡単にアクセスしたい」 「メールアドレスを簡単に入力したい」

といった通常の使い方のQRコードを作成したい場合は、やはりIllustratorの「QR Code Maker Pro」を使ってサクッとベクター形式を作るのが使い勝手もいいですしおすすめです。

ただアクセス解析はできませんので、アクセス解析をしたいと思っている方は「QRコード作成サイト」を使って生成してみてくださいね。

また、補足として下記に気を付けた方がいいと思うことを表記しておきますね。

QRコードのサイズについて

最小サイズはテキスト量にもよりますが、あまり小さいと読み取れない可能性がありますので、誤り訂正レベル「M」または「L」で10mm程度を推奨します。また、写真やオブジェクトの上に配置する場合には必ず余白をつけるようにし、余裕を持たせた間隔で配置しましょう。

QRコードの色について

印刷で使う場合、色は基本読み取りやすい黒(K100%)を推奨します。どうしても色を付けたい場合は、特色にするか、プロセスカラーであればCMどちらか1色のみにしましょう。また、QRコード作成サイトで生成したものは、RGBで作られていることがほとんどですので、CMYKに変換するとCMYK4色全てに色が入った黒になってしまいます。その時は、印刷での見当ズレ等を起こすと読み取れない可能性もありますので、必ずK100%の黒に変換して使うようにしましょう。

QRコードの登録商標表記について

時々見かけますが、チラシなどでQRコードを使用する場合、「こちらのQRコードを読み込んでください。」などと文言を入れることがあると思います。QRコードという名称は株式会社デンソーウェーブ様の登録商標ですので、もしこの文言を使う場合は近くに「※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。」と付け加えるようにしましょう。ごちゃごちゃするのが嫌いな方は、QRコードの名称を「2次元コード」または「2次元バーコード」という表記に変更しましょう。

  1. こちらのQRコードを読み込んでください。
    ※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
  2. こちらの2次元コードを読み込んでください。
  3. こちらの2次元バーコードを読み込んでください。

作成したQRコードは必ず使用サイズにして、QRコードリーダーアプリ等で読み取りできるか確認するようにしましょう。

できればiPhoneとAndroid、別のリーダーアプリなど環境を変えても読み取りできるか確認するとさらに安心できるかと思います。